扇子作りの行程は、大まかに扇骨加工、地紙加工、その地紙に装飾を施す加工、
折り加工、仕上加工の5段階に分けられます。
扇骨加工は、竹を扇子の長さに合わせて適当な長さに切りそろえる胴切から始まり、
胴切りした竹を割って、幅をそろえる、割竹。
割竹を薄く削るせん引き。
竹の根本に要(かなめ)の穴をあける、目もみ。
扇骨の形を整える、あてつけ。
屋外の日光を当てて、乾燥させる白干し。
磨き、塗りと続き、要を打つ、要打ち。
扇骨が地紙の入る部分を薄く削る、末削で完了します。
地紙加工は、芯紙と呼ばれるごく薄い和紙を中心にして皮紙と呼ぶ和紙を貼り合わせる、
合せという作業から始めまして、よく乾燥させた後、扇形に裁断します。
そして出来上がりました地紙に、手描き、木版刷り、摺り込み等の技法で、さまざまな
絵柄が施されます。
その地紙を、折型(型紙)にはさみ込みながら平らな地紙に折り目をつけます。
そして、いよいよ仕上加工に入ります。
芯紙が二つに分かれて、出来る隙間へ糊を引いた中骨を手早く差し込み、その後正しく
位置がきめられ、拍子木で強く叩きこなされます。
それから、万力と呼ばれる重石で押さえつけ、形を整えます。
最後に両はじの太い骨を、火であぶり内側に曲げて糊で固定をする親当という行程をへて、
完成いたします。